リハビリテーション科

担当ドクターの想い

Q: 外来・入院・訪問それぞれでリハビリを行っているそうですね?

はい、当院では外来リハビリ、入院リハビリ、訪問リハビリを行っています。
外来リハビリは、仕事での腰痛や肩凝り、部活動でのケガ、交通事故後の痛みを取ることがメインで、若年層や働き盛りの方が多くなります。
一方、入院リハビリや訪問リハビリは70代〜90代のご高齢の方が中心です。
一人暮らしの方も多く、退院後の生活を具体的に考え、生活での課題をクリアできるようなリハビリを行います。
施設に入居される場合も同様に、施設の条件や環境を考慮して目標を定めたリハビリを行います。
訪問リハビリでは、より安全に過ごせるよう、生活の場で動作練習や動作方法の提案、
身体状況に応じた環境作りの提案を行います。


Q: 具体的にどのようにリハビリ内容を考えていくのでしょうか?

ご自宅に戻る際は、地域のケアマネジャーさんとも連携し、患者様のご自宅の写真や間取り、
手すりの有無などを詳しくお聞きします。
そして「どうすればその方が安全に一人暮らしやご家族と暮らしていけるか」
という点を踏まえた生活動線をベースにリハビリ内容を考えます。
患者様自身にも手脚や身体の弱さ、動かしづらさに気づいていただき、
「これだと家事ができないからこういうリハビリをしましょう」とご自分の状態を自覚していただきます。
また「孫が来るから自力で抱っこしたい」「お友達とお出かけしたい」などの目標や趣味があると
モチベーションになりますので、普段の会話の中で患者様のお好きなことを知ることもとても重要です。


Q: 地域の福祉に関わる方々とはどう連携されていますか?

場合によっては退院前訪問として実際にご自宅に伺い、生活の動線を中心に日常生活の動作が行えるか確認します。
ベッドや手すりが必要か、トイレや入浴が自宅で可能か、ホームヘルパーやデイサービス、
デイケア等の介護サービスが必要かなどを検討します。
地域連携の要は当院の看護師長で、理学療法士とケアマネジャー、福祉用具業者などをつなぐ役割を担っています。
もちろん、患者様の意見や希望、ご家族の意向が最も重要ですので、相談を重ねながら、
納得して自宅に戻れる環境や施設に入所するまでの環境を整えます。


Q: 患者様の生活に直結したリハビリを行うのですね。

痛みがなくなったりケガが治ったからといって、すぐに自宅で想いのままに生活できるわけではありません。
他の病院から「自宅に帰るのが不安なので、そちらで入院してリハビリをお願いできませんか?」
という依頼もあります。「なんとか動作はできている」では安全な生活はできません。
私たちは特に、年齢のせいにしないことを大切にしています。「もう年だから……」と言ってしまうと、痛みや動作ができない本当の原因が見つかりません。
当院では外来、入院、訪問リハビリすべてにおいて、年齢のせいにせず身体機能の回復を目指し、
患者様が生活している場所や地域をイメージしてリハビリを行っています。


Q: 地域の方々に向けたヨガ教室も始められたようですね。


20代〜40代の働き盛りの方から、健康や介護予防を気にされる方まで幅広い年代の方々に、
もっと気軽に自分の体に興味を持っていただくために、ヨガ教室や健康教室の開催を計画しました。
理学療法士、看護師、医療事務の5名が診療後に実施していますので、地域の方が健康面やご家族の介護について気軽に相談できる場所としても活用していただけるとうれしいです。
部活などのスポーツをしている学生さんも参加可能ですので、ケガの予防やパフォーマンスアップに役立てていただきたいです。

運動療法について

運動療法は、理学療法士による担当・予約制のリハビリです。

お困りの症状に対して、関節の動きや筋肉の機能を改善し、身体に負担の少ない動作を獲得、症状の改善を目指します。
痛みや問題のある部位とは別に、根本的な問題が体のどこかに隠れていることが多いです。
この根本的な問題を探し、日常生活やスポーツで困らない身体づくりをサポートします。

物理療法について

物理療法は予約の必要がなく、診療時間内に受けることができます。
電機や光線、温熱、牽引などの物理的なエネルギーを利用して治療を行います。
物理療法の目的は以下の通りです。

  • 痛みの緩和

  • リラクゼーション

  • むくみの改善

  • 循環の改善

  • 運動療法を効果的にする準備
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