健診で胸部に異常がみられた方へ
健診で胸部に異常がみられた方へ
胸部レントゲン検査とは
レントゲン(X線)検査は、X線を使って体内の様子を画像化する検査です。
骨や脂肪、水分など、体内の組織によってX線の通りやすさに差があります。 この違いを利用し、各組織を通過したX線の量をモノクロ画像として表示します。
空気などのX線が通過しやすい部分は黒く、骨などのX線が通過しにくい部分は白く映ります。
健康診断で行われる胸部レントゲン検査では、背部から胸部にX線を照射し、肺や心臓、縦隔などの異常を調べます。
レントゲン検査は放射線を使用するため被ばくがありますが、1回の胸部レントゲン検査での被ばく量は約0.06mSvです。
成人の健康に影響を与えるとされる被ばく量が100mSv以上なので、極端に回数を重ねない限り悪影響はありません。
ただし、胎児が放射線の影響を受ける恐れがあるため、妊娠中または妊娠の可能性がある人は医師に相談してください。
もし健診での胸部レントゲン検査で異常となったら
胸部レントゲン検査で異常が見つかると心配になりますが、まずは早めに胸部CT検査を受けてください。
健診の胸部レントゲン検査で異常が見つかった場合、多くの方はCT検査をすると問題がありません。
胸部には血管や肋骨など多くの臓器があるため、偶然濃く見えているだけの場合が多いのです。
CT検査は10秒程度で撮影が可能で、MRIのように15分から30分かかることはありません。閉所恐怖症の方でも問題なく受けられることが多いです。
近年では被ばくを低減する技術が発達しており、身体への影響もほとんどありません。 肺の評価には造影剤を使用しなくても十分に評価できるため、検査のリスクはありません。
肺がんや結核などの重要な疾患を見逃さないことが大事です
少数の方は肺がんや結核などの病気が見つかる場合があります。 CT検査ではミリ単位での評価が可能で、正確な診断ができます。
全ての病気において早期発見が重要です。 早期の肺がんが認められた場合は、手術による治癒も望めます。
不安を感じる前にCT検査を受けることをおすすめします。
胸部CT検査ではほかに何がわかるの?
胸部レントゲン検査で異常が見つかった部位の正確な評価のほか、胸部CT検査では肺全体を評価できます。
「たばこを吸う人に多い肺気腫の有無」や「早期の肺がんのチェック」なども可能です。
近年では肺ドッグとして自費で胸部CT検査を行う施設も多く、数年に1度検査を受ける方もいます。
健診の胸部レントゲン検査で異常が見つかった場合、CT検査が保険診療で受けられ、約4,500円で受けることができます。
この機会にCT検査を受け、健康管理に役立ててください。
CT検査機器をもっているクリニックでの受診の場合すぐに結果がわかります
日本ではCT検査機器を持っていないクリニックがほとんどです。
健診で胸部レントゲン異常が見つかり、その結果を「CT検査機器を持っていないクリニック」に持っていく場合の対応は以下の通りです。
- クリニックから総合病院へ紹介状を書き予約を取る。
- 後日総合病院でCT検査を受ける。
- 結果がクリニックに郵送され、さらに後日結果を聞きに行く。
このプロセスでは、健診で異常が見つかり不安な中、結果を聞くまでに1週間以上かかることがあります。
これは効率が悪く、受診の遅れや診断の遅れにつながる可能性があります。